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学校法人朴沢学園明成高等学校
■知的財産権セミナー モニタリングレポート(平成19年11月28日実施)

 

○講師:(社)発明協会宮城県支部 相談員 川島洋介 氏
○対象:明成高等学校調理科20名

平成19年11月28日の放課後、食育の活動を通して様々な商品開発に取り組む明成高等学校調理科の生徒20名が「知的財産権について」と題し、発明協会の川島先生より講義をいただきました。
"知的財産権とは何だろう?"というテーマからはじまり、その種類や対象、権利の取得方法などについて、身近な具体例を元にお話いただきました。

■知的財産権とは人間の知能によって生み出され、その創作性に財産的価値を有するもの
 ・・・中でも、産業に密接に関係するものを産業財産権といい、以下の4つがある。
種 類 権 利 内 容
1.特許権 「発明」(技術)を保護する権利
2.実用新案権 「考案」(技術)を保護する権利
3.意匠権 「意匠」(物品のデザイン、外観)を保護する権利
4.商標権 「商標」(商品・役務)の名称を保護する権利

○例えば―、
・みんなが知っている"レントゲン"というのは、ひとつの自然法則であって、それを発見した人がレントゲンという人。これそのものは特許ではなく、この法則を使って開発した技術が特許の対象になる。
・みんなが持っている携帯の"デザイン"は、意匠権の対象になる。
・ポカリスエットやアクエリアスというのはひとつの商標。前者は大塚製薬の、後者はコカコーラ社のスポーツドリンクの商標のこと。

■産業財産権には期限がある。そして、制度は国ごとに異なる。
・権利者の権利を保護するために強力な独占権を与えるが、これには一定期間期限がある。
(特許は20年、実用新案は10年で、更新が可能)
・また、国ごとに管理が異なるため、国を超えて製品を販売する場合などはそれぞれの国ごとに権利を申請する必要がある。
・特許は審査に平均2年弱かかり、費用も約21万円かかる。一方、実用新案は審査に3〜6ヶ月、費用も2万円ほど。
→特許は年に30〜40万件ほど、実用新案は年間1〜2万件ほどの申請がある。

■意匠権とは?―有体物であること。
・花火やネクタイの結び目、分子構造などは対象外。
・塩や砂糖は対象外だが、"角砂糖"は形があるからOK。

■商標権とは?―有形の商品と、サービスとしての役務がある。
○"HONDA"や"SONY"といった文字商標や、"トヨタのマーク"などの図形商標、そして、それらを組み合わせたものがある。
例えば―、
・"宅急便"はクロネコヤマトの商標であるから、"佐川の宅急便"というのは本当はおかしい。
・通常は、"HONDA"は人の名前であるため認められないが、『何人かの業務に係る商品または役務であることを認識することができるに至った商標』という理由で、今は認められている。他にも、"日本ハム"など。
・その他、「地域団体商標」として"地域ブランド"があり、地域活性化のために認められている―宮城県では、"仙台味噌"や"仙台牛"など。
"夕張メロン"も同様に例外的に商標となっている。


この他、"商標権"については、身近な実例を紹介しながら、実際に企業同士の裁判まで進んでしまった例等を説明いただきました。
みな、放課後にも関わらず、実例イラストを交えた資料を見ながら真剣に聞き入っていました。


【取材・文責 中山聖子(デュナミス)】

 

 

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