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オータムセミナー講座レポート -伊東編 小笠原裕さん-


~小笠原裕 【自由化論争】~

 他大学の教授の講義を受けるのは初めてでなぜか緊張していましたが、笑顔で楽しそうな姿に癒され、分かりやすい経済学を展開していただきとても印象に残った講義でした。


 東北学院大学で経済学を教えていらっしゃる小笠原先生は“GATT ウルグアイ・ラウンドにおける自由化をめぐり、東京大学教授と論争を繰り広げた”という過去を持つ方です。

 論争と聞いて討議会などで言い争ったという想像をしていましたが、実際は、ある月刊誌の研究紹介コーナーに小笠原先生のコメ問題に関する記事が掲載され、その記事に東京大学教授が批判したことがきっかけで、月刊誌上でコメ論争が繰り広げられたそうです。

想像と違い、雑誌上で論争していたことに驚きでした。詳しい内容は小笠原裕氏著『農業に明日はない』に再現されています。ぜひお読みください。


今回は論争内容に関わっている

“分業:複数の人員が役割を分担してモノの生産を行うこと”

について『古事記』の海彦・山彦の話を使い、分かりやすく講義してくださいました。登場人物の海彦と山彦は鳥と魚を得ることで生計を立てておりましたが、作業効率化を図るために海彦は狩りで鳥を得ること、山彦は釣りで魚を得ることというそれぞれの得意分野に専念することにしました。


このように作業効率の優位な分野を担当して手にする生産物を増加させることが分業の長所であります。しかし、得意分野がなく両方において1人のほうが優れていたら分業する意味があるのでしょうか?この問題は優れている程度はどちらが大きいかを考えることで解決します。


論争を通して、理論は現実を考える道具であることをほとんどの人が分かっていないと知り、現実と理論の間に生じるズレを埋めることが経済学者の役目であることを再確認したそうです。


講義後、受講した高校生にインタビューをおこない「海彦・山彦の話は分かりやすく、経済学を少し理解できました。」「大学の講義を体験できて良かったです」という感想をいただきました。

経済学と古典のコラボレーションで経済学のイメージが変わった講義でした。