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山形県米沢市立南原中学校
活動報告

〜 トレーディングゲーム体験 〜

平成16年2月25日(水) 8:30〜14:20

  米沢市立南原中学校は、金 隆子 (こん たかこ)先生を中心に、平成14年度から独自のアントレプレナーシップ教育をおこなっている先進的な学校です。
  今年度は、総合的な学習の時間に、1年生と3年生合同 38名で会社を5つ作って商品開発に取り組み、9つの素敵な商品を、東北経済産業局主催の「小中学生発明王コンテスト」に出品したところです。
  今日は、これまでの活動とは違い、経済産業省が起業家教育促進事業として (株)ウィル・シード(本社:東京都港区)に委託し、全国各地の学校で実施している「トレーディングゲーム」 (注) を体験します。
  今年度、東北地域で実施される3回の実践(他の2回は、花巻市立湯口小学校、仙台市立袋原中学校)のうちの最終回となります。

 

(注)トレーディングゲームとは
  イギリスの代表的なNGO「クリスチャン・エイド( Christian Aid)」が開発して1882年に出版した、貿易(トレード)を中心に世界経済の動きを疑似体験することによって、先進国と途上国の格差をはじめとする国際社会の問題について考えることを目的とした開発教育の教材「貿易ゲーム」が原型となっている。「貿易ゲーム」は、1885年に日本語版が制作され、全国各地の学校の社会科の授業やNGO関係者の学習会など様々な場所でおこなわれてきた。「トレーディングゲーム」は、「貿易ゲーム」に、船橋社長がビジネスや経営の観点を加味してアレンジしたものである。

 今日は、株式会社ウィル・シード社長の船橋 力さんが進行します。
<導入とゲームのルールの説明 8:30〜11:00>
○今日の約束
1、 お互いの話をよく聞こう
2、 自分から動こう
3、 協力し合おう

○今日の目的
1、 失敗おめでとう
2、答えは1つじゃない
3、 みんなの得意を活かそう

○今日のテーマ
  自立と貢献

○各チーム、「各国パワーシート」を元に自分の国を選ぶ
  人口(4人のチームと5人のチームあり)、資源、技術(道具)、お金の異なる9つの国の中で、どの国になりたいかを選びます。各チームの希望をもとに、資源と道具とお金の入った封筒が配られます。

【ゲームの進め方】
○目 的:最後に、最も多くお金を持つこと。
○ルール:
1、 はさみ または カッターで切る(定規や手で切ってはいけない)
2、 封筒の中の道具だけを使う
3、 5枚で1セット、銀行に持っていき、その時の価格でお金を得る
4、 他の国の物が欲しい時は交渉する
5、 社会のルールや法律に反することは禁止(罰金10万円)
6、 国連は絶対

*国連役は船橋さん。「途中でいろいろなことを言うので、聞く方が得ですよ」とのアドバイスがありました。
*「ルールの中では何をしても構いません。自分の得意を見つけて動きましょう。」

<ゲーム1回目 11:00〜11:40>

(1)ゲームスタート!
 10分間の作戦タイムの後、ゲームスタート!
 既にTV出演の経験もあり、大人に観られることには慣れている生徒達。TVカメラや新聞記者を含め、大勢の大人が周囲を取り囲む体育館で「トレーディングゲーム」はおこなわれます。

 

(2)波瀾万丈
 国連の一声で、途中いろいろなことが起こります。
 追加の資源や“秘密の情報”を、特別に与えられる国もありました。

(3)ゲーム終了!
  ゲームは突然終わります。いつ終わるか分からない、人生と同じ。今を大切に生きることを学びます。

<振り返り1回目と結果発表 11:50〜12:45>

○順位発表・・1位:ライオン国( 344,736点)、以下(全て国名)、ドッグ、ぞう、チーター、タイガー、しか、しまうま、さい、ラビット(27,280点)の順でした。

★資源、技術(道具)、お金、情報・・皆、何かを持っていて何かを持っていない。 ⇒他人をうらやむのではなく、自分の得意を活かそう。

 

★市場価値・・ゲーム開始時より製品価格が全般に下がっている。なぜ?
  =皆が同じ物を作って市場価値を下げているから。
  ⇒それぞれ違う同じ物を作り続けて、銀行に持っていかずに市場価値が上がったところでまとめて持っていけば高く売れる。

★最初に状況を把握することが重要・・他のチームは何を持っているのか。
  ⇒例えば分度器は全体で2つしかなく、コンパスは1つしかない。これを全て持ってしまえば、他の国は、円や半円を作ることができないため、市場を独占できる。

★ 15万点で1位になるのと、50万点でビリになるのと、どちらが良い? ・・今回、全チームの合計得点1,148,000点、全国の中学生の平均は約百万点だそうで、平均を少し上回る成績でした。
  ⇒意地悪して相手をつぶして1位になることもできる。でも、それでは結局、少ない点数しか稼げない。 15万点より50万点の方が豊か。皆で協力して、全員で上昇する、例えば全員で200万点を稼ぐこともできる。

・・・以上の他にも、「振り返り」の中で、色々なことを学びました。

<ゲーム2回目 13:30〜14:00>
  昼食の後、2回目のゲームをおこないます。
 今度は、1回目と違って:
 1、封筒の中身を選べません。
 2、時間は20分と決められています。
 自分で時間を計り、計画を立てて有効に時間を使わないといけません。皆1回目より上手に動いています。

<振り返り2回目と結果発表 14:00〜14:20>
★ビジネスの3大要素+2=人、モノ、お金 + 時間、情報
  ⇒これらを有効に活用することが重要。
★役割を決めて協力しよう。工夫しよう。

<修了>
 船橋さんから、イチローは中学生の頃から、夢を具体的な数字で目標としていた話を聞きます。数字で具体的に目標を立てることで、目標は、より達成しやすくなります。
 最後に、全員に「ビジネスパーソン入門コース 修了証」が渡されました。