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秋田県秋田市立秋田商業高等学校
活動報告

「秋田にあきた」なんて言わせない!〜秋田のいいとこ再発見〜

平成17年11月5日(土) 10:00〜15:00
秋田拠点センターアルヴェ

 秋田市立秋田商業高等学校は、平成15年度より総合選択制を導入、1年次から選択科目により、生徒一人一人の進路に応じた授業の展開をしています。野球、サッカーでも有名な文武両道の同校では、平成14年度来、「ビジネス実践学習」を行っています。株式会社「秋商」の取締役会でもある生徒会が中心となって、企画・広告・物販等イベントの進行の一切を高校生自身が仕切るものです。
 平成16年度からは文部科学省の「目指せスペシャリスト」の研究指定を受けその研究項目の一つともなりました。
 商店街での開催等さまざまな試行を行ってきましたが、今年は、秋田駅前のイベントスペースの内外をフルに活用しての本番を迎えました。

 秋田駅に直結の会場ですが、会場までの通路にはチラシをまく呼び込みの高校生の姿が途切れません。
 会場では、1階の入り口外には、テントを設置しての物販・軽食の店舗、1階の広場にはテーブルを並べた店舗とステージと椅子を並べたイベントスペースが、2階のホールには広く物販の店舗が並ぶという構成になっています。
<株式会社「秋商」について>

 「秋田のいいとこ」に関する商品・イベント開発を、今回のテーマとして進めてきた本事業、物販・軽食でも、きりたんぽやうどんといった名産品を高校生なりにアレンジしたものが並びます。
 株式会社「秋商」は取締役会・監査役会(=生徒会)のもと、事業部・開発部・PR部、広告部の4部が並びます。
 事業部:4課:国際・国内産業・地場産業取引、秋商農園
 開発部:2課:自社製品開発、知的財産
 PR部:5課:IT、ボランティア、国際・地域交流、地域調査
 広告部:3課:広告デザイン・TVCM作成・新聞雑誌広告作成

といった構成ですが、自社製品開発課が最も大所帯の課であり、さまざまな商品が開発されています。
 高校の化学室で育てた観葉植物あり、企業に商品提案して作成してもらう本格的な商品ありと実にバラエティに富んでいます。


(↑夏のイベント秋田竿灯風ディスプレイ)

<ステージイベントについて>

  10時の開会から15時の閉会まで、ステージ上では他校から招いた太鼓、民謡をはじめステージ発表が続きます。
 ステージと観客席を取り囲むように店舗が並ぶため、その呼び込みと音楽が重なり、かなり騒然とした状態ですが、集まった人々は、食べたり買ったりながめたり、思い思いに楽しむことが出来ます。


<秋商経済ゲームについて>


 同校の山脇 聡先生が中心となって、2年生時にイベントプランニングとビジネスマナー、3年生となってアントレプレナープランニングと地域経済を学習しています。
 本イベントに向けて、高校生がビジネスを教えるというコンセプトにゲーム形式を取り入れた「秋商経済ゲーム」を開発しました。
 開発したのは同校のキャリア教育研究班、代表は柔道部の天野さん。当日の仕切りも全て自らマイクを持って進行しました。起業家でないと起業家教育はできないといわれますが、まさに高校生起業家です。
 イギリスのNGOクリスチャン・エイドが制作した『貿易ゲーム』に、(特活)開発教育教会と(財)神奈川県国際交流協会が今日的な課題を盛り込んだ『新・貿易ゲーム』をベースとしていますが、製品を作って資金を得て、そこからさらに買い物するという発想はオリジナルなもの、果たしてうまく行くものでしょうか。

 参加者は10時に集合。おかあさんチーム、大学生チーム、高校生が2チーム、中学生が3チーム、保護者付きの小学校低学年チームの計8チームがエントリーしました。
  おおよその構成は、  (1)ジャンケンで資源袋をとる
                (2)製品を作って取引所に持ち込み秋商券を得る
                (3)秋商券で会場内の店舗で買い物する
                (4)買い物した商品を銀行で換金する
というもの。最初はみんな飲み込めないようでしたが、実演つきの元気な説明に、徐々にわかってきたようです。いざ本番。

 優勝は、大学生チーム。下調べと分業制がカギでした。

 ゲームの順位はともかく、今回のポイントは「高校生がイベント一切運営すること」にあります。PDCAサイクルでいえば、今日はPlan→Doの段階。
 商品開発、ゲームの開発、いずれもオリジナリティあふれた素晴らしい出来でした。
 これから、→Check→Actionに臨むわけです。
 感動体験(こちらももらい泣きしそうでしたが!?)とはまた別に、振り返りを行わなければなりません。商品では売り上げのみならずお客様の反応、ゲームでは、ちゃんとコンセプトが伝わったか、チェックしなければならない項目はたくさんあります。
 卒業後の進路も真剣に考える時期になっていますが、高校生達が企画・開発で発揮したチャレンジ精神、コミュニケーション力、決断力といった起業家精神は、近い将来、会社員、公務員、教員いかなる職種にあろうとも(社長になるならもちろんですが。)必要になってくるものです。
 さて、一つ印象的だったのは、地域の人たちの主催の高校生への温かい目線です。地域の大人に可愛がられて育てられていると子ども(高校生では大きすぎますが、)と、コミュニティの中核としての存在になっている学校の好例を見たように思えました。

<文責:東北経済産業局産業人材政策室 三瓶>

 

 

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東北経済産業局 地域経済課 産業人材政策室
担当:三瓶(さんぺい)
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