| お問い合わせ | HOME | 
メインメニュー
■ 『山形県米沢市立南原中学校』活動報告
〜デザインについて勉強する〜
平成15年11月26日(水) 10:55〜11:45
 米沢市立南原中学校は、独自のアントレプレナーシップ教育プログラムを展開しています。
昨年度は、金隆子先生を中心に2年生が総合的な学習の時間にバーチャルカンパニー(仮想会社)を設立、商品企画、製品作り、修学旅行の機会を捉え東京での販売、決算と半年間奮闘しました。その様子は地元ケーブルテレビ局により「みんながヒーロー」とのタイトルでドキュメンタリー番組として放映されるなど、地域の理解も深まっています。
今年度も総合的な学習の時間に、1年生と3年生合同5(8)名で会社を5つ作り、同様のプログラムを展開しています。
販売は市内で行いましたが、先日その2回目を終えたところです。 販売を振り返り、商品の完成度を高めていくため、デザインの専門家から勉強したいということになりました。地元の米沢織物工業組合事務局のご紹介により、東北芸術工科大学情報デザイン学科の玉田俊郎助教授からお話を伺います。

大学の先生がいらっしゃるということに生徒達は少し緊張しています。
 玉田先生は、ニューヨーク近代美術館のショップで売られているシンプルな小物入れやデザインがいいので買ってしまったという1000円もする歯ブラシなど、さまざまな魅力的な商品を片手に話しはじめます。

 日頃は大学生に講義する先生も今日は中学生を前に、やはり少し緊張されているようです。

<魅力ある商品づくりとデザイン>
○デザインとは
○ニーズとシーズを考える
○商品のオリジナリティ
○商品の価値とその意味
○商品提示を想定した商品開発の発想
○市場ニーズを探る−提案型商品の試み−ニーズから一歩先へ
○デザインによる商品化のシナリオづくり

<お話のポイント>  
・既成概念から脱却すること
・商品化のポイントはメッセージがあること
・商品の魅力は商品のいきさつ、物語を知ったとき増加する

まとめとして、「商品を考えるときはいろんな方向から見ること」、「特徴づける、それは自分の好きなもの、身の回りから考えることが大事」とのことでした。

生徒の感想をいくつか紹介します。

◇玉田先生に商品づくりについて話をしてもらってよかった。発明王コンテストに生かせるように、商品にメッセージを入れてコミュニケーションをとってみたい。1時間だったけどいろいろなことが学べた。
◇いろいろ珍しい商品を見ることが出来ておもしろかった。今度は買う人の立場になって、自分が欲しいと思えるような個性のある商品を考えたい。
◇自分が気に入る商品はだいたい売れるということがわかった。 買ってもらえるような商品を考えていきたい。
◇お話を聞いて、個性のある商品を作りたいと思った。違う目線から見ることも大切だということもわかった。お客さんの目で見るようにして開発したい。
◇今日は玉田先生から商品づくりに最適なアイデアをもらいました。勉強したことを生かして商品づくりに向かいたい。


授業が終わると、校長室に先日の販売商品が並べられ、玉田先生によるアドバイスが行われました。実際の売れ行きと、プロの目による品評が必ずしも合っていないこともわかり、金先生は熱心にメモをとっておられます。

 左は、流木による写真立て、校長室では人気ナンバーワンでした。下は、売れ行きナンバーワンの袋物です。

 発明王までどんな商品が改良され、あるいは新たに開発されるとても楽しみです。

 

 

<文責:東北経済産業局企画課 三瓶>