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■ 『仙台市立太白小学校 』活動報告3
〜本物の社長さんの話を聞く〜
平成16年1月20日(火)  10:45〜11:30  
 仙台市立太白小学校5年生の正課は、総合的な学習の時間を活用し地域を調べ、地域の特産品の開発を行ってきました。起業プロセスにおける「志」と「商品」が整ったといえます。
あとは、いよいよ「会社作り」です。
そこで、まずは本物の社長からお話をうかがうことになりました。どんな「志」から起業しているのか、子ども達のみならず校長先生まで楽しみにしています。
お話してくださるのは、工藤治夫さん、仙台市太白区に本社をおく工藤電気株式会社を経営されています。
同社ホームページによりますと、

 当社は昭和31年、「エレクトロニクス応用開発」を目的に設立し、東北大学の実験技術を積み重ねてまいりました。
以来30余年、科学技術の進歩に伴い、より高精度な測定と安定な制御技術に取り組み、(1×10-6)の安定度、30KAに及ぶ直流大電流の制御技術を確立しました。
これらの技術による当社の「パワーエレクトロニクス製品」は、素粒子、原子核、放射光、核融合の加速器科学、超電導等の「ビッグサイエンス」に加え、放射線医療MRI診断分野における常電導、超電導電磁石の高安定直流定電流電源装置として広く国内学術研究機関にご採用いただき、今日まで発展してまいりました。
一方、人の「痛み」を定量的に測定する「痛覚計」を開発し、さらにこれをコンピュータ処理に発展させた「痛覚診断システム」は、基礎、臨床医学の分野で「痛みの研究」の評価測定器として定着しつつあります。
これまで科学技術の先端研究分野で育んできた数々の製品につきましては、さらに生産体制の充実と品質の向上を図り、柔軟で機動性のある組織と相俟って一層信頼いただける製品をお届けしてまいります。
工藤電機はこれからも「創造と奉仕で前進」をモットーに、社員一同力を合わせ社会に貢献できる研究開発型企業をめざして努力してまいります。

といった、「志」と「商品」を掲げています。

 

 5年生全員(1・2組)がいすと机を廊下に出した教室に集まり、授業が行われます。

 川原 宏樹先生の司会で進みます。

<渡邊校長あいさつ>
超電導、パワーエレクトロニクスといった初めて聞く言葉も出てくるけれど、本物の社長さんのお話をしっかり聞いて下さい。

 

<工藤社長のお話>
○「電気少年」のきっかけ
私は62歳ですが、戦争中の疎開で東京から西太賀小学校に移ってきました。皆さんと同じ小学校5年生のとき、初めて鉱石ラジオを作りました。流れてきた英語放送に、集まった近所の人が「すごいね」と褒めてくれて、それが「電気」の道へのきっかけです。

○「気」が大切
元気に、やる気に、電気。
電気は見えるかな?見えません。見えないから測定しなければなりません。 今日は(1)静電気、(2)磁気の話をします。

(1) 静電気

 プラズマテレビを作る技術にも使われています。
体の中にも電気があります。
ビリッと来る前に、工藤電気の静電気防止シールに触れればだいじょうぶ。

(←前に出た生徒を測定すると4300ボルト。教室中大さわぎ。)

 (2)磁気

 電池がないときどうする?(磁気とコイルで電気が起きる懐中電灯、さまざまな磁石、反発の仕組みを紹介。)

○「気」×「行動」×「知識」
世界にひとりしかいない自分をどう役立てていくか。
「行動」することは経験すること、もちろん失敗もある。
ものの見方を変えると変わって見える。

<まとめ>
工藤社長が前日巻いたというコイルと磁石、静電気等の実験・実演に、子ども達は目を輝かせていました。1時限では、会社作りの全ては伝えきれないものですが、6年生になっても続いていく同校の起業教育のなかで、何かのきっかけ、ヒントにはなっていくものと思われます。

 

<文責:東北経済産業局企画課 三瓶>