○講師:(社)発明協会宮城県支部 相談員 川島洋介 氏
○対象:宮城県鹿島台商業高等学校 3年選択マーケティング受講者6名
平成19年12月4日の午後(5時間目)、宮城県鹿島台商業高等学校の「選択マーケティング」を受講している生徒20名が「知的財産権について」と題し、発明協会の川島先生より講義をいただきました。
これまで、インターネットなどを活用し、自分たちが現在取り組んでいる「わらじ村長豆」について類似商標がないか調べるなどの学習をしております。
今回は、知的財産権とはどのようなものか、実際の商品やサービスなどを例に挙げながら、詳しくお話いただきました。
■知的財産権とは人間の知能によって生み出され、その創作性に財産的価値を有するもの
その中でも、産業に密接に関係するものを産業財産権といい、以下の4つがある。
1.特許権・・・「発明」(技術)を保護する権利
2.実用新案権・・・「考案」(技術)を保護する権利
3.意匠権 ・・・「意匠」(物品のデザイン、外観)を保護する権利
4.商標権 ・・・「商標」(商品・役務)の名称を保護する権利
■権利の存続期間
・権利者の権利を保護するために強力な独占権を与えるが、これには一定期間期限がある。 (更新可能)
○特許権・・・20年、○実用新案権・・・10年、○意匠権 ・・・20年、○商標権 ・・・10年
■どうすれば、権利を得られるのか。
・特許庁長官に文書で所定の書式で出願。(郵送・オンラインでも可)
・特許は審査に平均2年弱かかり、費用は約21万円かかる。
一方、実用新案は審査に3〜6ヶ月、費用も2万円程度。
※実用新案は、特許と異なり無審査で権利が取得できるが、特許のような排他的権利を有しておらず、権利を行使するには、技術評価書などの証明が必要になる。
・特許は年に30〜40万件ほど、実用新案は年間1〜2万件ほどの申請がある。
■商標権とは?―有形の商品と、サービスとしての役務がある。
○"HONDA"や"SONY"といった文字商標や、"トヨタのマーク"などの図形商標、そして、それらを組み合わせたものがある。
例えば―、
・"宅急便"はクロネコヤマトの商標であるから、"佐川の宅急便"というのは本当はおかしい。
・通常は、"HONDA"は人の名前であるため認められないが、『何人かの業務に係る商品または役務であることを認識することができるに至った商標』という理由で、今は認められている。他にも、"日本ハム"など。
■地域団体商標について、
平成18年4月より地域名と商品名からなる商標については、「地域団体商標」として商標登録できるようになった。
"地域ブランド"など地域活性化のために活用されている。
―宮城県では、"仙台味噌"や"仙台牛"など。 "夕張メロン"も同様に例外的に商標となっている。
そのほか、実際の企業の例を挙げながら、具体的な出願の手順や様式についてもご説明いただきました。
【取材・文責 松浦智博(デュナミス)】
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